チプルソ 淡い サウンド分析から見えてくるヤバさ

 

チプルソ 淡い サウンド分析

ビートボックス、ギター、ラップ……。いくつものパートを一人でこなすチプルソのライブの「No DJ、One MC」スタイルは目の前で音が次々と完成されていく。それは例えば宅録で出来上がるクリエイティブなパートを客席に見せながらエンターテインメントしているのだからすごいことだ。

昨今、飽きるほどに前置きとして書いているのだが……MCバトルブーム、フリースタイルバトルブームがこれまでヒップホップを知らないリスナー、または馬鹿にしていた連中にもウケている。世間はブームにはすぐに飛びつき離れる時はあっさりと見放す。世知辛い。この上ない。

しかし、フリースタイルブームの中、明らかに異質なフリースタイルの企画があったことを知っているだろうか?もちろん、ヒップホップ好きならばチェックしている方が多いだろうが「Studio韻シスト」はまさにサイファーや現場の空気感を画面の向こう側に届けたに違いない。少なくとも筆者Semaphoはぶっ飛んだ。

その中でもチプルソと鎮座DOPENESSの登場回は俗に言う『神回』であるため、昨今のバトルシーンに馴染めない人にこそこれは見て欲しい。

 

 

前置きはさておき、サウンド分析

長くなってしまったが、チプルソの淡いのサウンド分析を始めよう。

イントロからチプルソの武器の一つであるアコースティックギターの音。これはもしかすると若干音をすっきりさせているのかも知れないが、ほとんど生音のように感じる。もしかすると全体にかけるEQやコンプによる音のバランス調整だけで、そのままの音を使っているのかも。

そして、ドラムが入ってくるのだが気になった点はハイハットは裏のアクセントを意識しているものの、表にも入ったりベロシティにもバラつきを敢えて持たせているため、マウスで書いたのではなく、手で打ったような人間らしいリズムになっている。

トラックの後ろに声ネタかなにかをサンプリングしたものにディレイとリバーブをかけているのだろうか。例えば夏休みのセミの声のようなそのシーンに印象を持たせるには十分な浮遊感を与えている気がする。

チプルソは声が高いとよく言われているが、筆者は単に高い声であるとは思わない。低い音から高い音までの出せる音の幅が広いためそう感じやすいのだと思う。ラッパーにとっての一番の武器『声』の質で言うと上物的なアプローチに馴染みやすいと思われる。そういう意味ではチプルソの声も一つのトラックを構成する楽器と捉えることも可能だ。

素晴らしい音楽家であるチプルソの新たな楽曲やアルバムに期待したい。

someaka

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