Jenny Woo と パンクロック
ーだって、私という一人の人間の力はその場にいる彼らに与えることによって明らかになると信じているから。
いきなり個人的な話で申し訳ないのですが
今年はカナダのバンド、ミュージシャンの
音源やMVなどを楽しむ機会がとても多く、
そしてそれがきっかけでふとした瞬間に
カナダの観光地だとか食べ物を調べることが楽しみになっていました。
もちろん今すぐに旅行に行く予定などはないのですが、
カナダへの興味が深まったことは確かです。
特に Poor Young Things や
The Sheepdogs などの
とんでもなくかっこいいロックバンドを知ったときというのは感動しました。
しかし、ロックンローラーを知る中で
カナダのパンクにも自然と耳が傾いていきました。
そして、今回インタビューを行ったのが
カナダとイタリアをルーツに持つパンクロッカーのJenny wooです。
彼女にインタビューは申し込んだとき、
日本のパンクにすでに興味があったようで
日本のパンクロックシーンやスキンズについて聞かれました。
つまり、多くの日本のパンクスがそうであるように彼女もまた「知る」ことを大切にしているように思えました。
Jenny Woo Facebook

・あなたが音楽を始めるきっかけはどのようなことですか?
Jenny : 私はすごくラッキーだったの。
なぜなら私の母の夫は私が5歳の時、
ピアノの先生で私と妹にピアノの弾き方を教えてくれたからね。
私は12歳の時ドラムとギターを覚えることに切り替えたんだ。
それはパンクロックに興味が出てきてバンドを始めたくなったから。
私がAcoustic Oi!プロジェクトを始めたのは2007年。
私の地元ではSkinheadバンドをやりたいメンバーを見つけるのがとても困難だったからね。
私は何もしないでいるより一人でプレイする方がマシだって思った。
それが私が一人でアコースティックギターを持ってる理由ね。
私のプロジェクトは動き出して、
あなたたちもスキンヘッズの勇気と価値観を
私のアコースティックの表現で聞くことができるわ。
・一番最初にあなたの曲を聞いたとき、
とても強くてキャッチーなサウンドとユニークな歌詞だと感じました。
曲はどのように作っていますか?
Jenny : 創作に関して説明するのはとても難しいわね。
だって私にもよく分からないからね!(笑)
あるときはあなたにもアイディアは浮かぶでしょう?
それは一つの言葉だったり、フレーズだったり、
もしくは短いメロディだったり。
そういうものがあなたの心を打つはず。
これが曲の礎になって曲のシンプルなアイディアや
もしくはそれ自体を書くことになるわ。
多くの場合、そのアイディアはコーラスの中にあるよ。
曲の一番大事なところでリフレインさせることや、
誰かに触れて面白いと思ってもらわなければいけないと思ってる。
もし平凡なコーラスの曲があったら、
その次の曲のポテンシャルも上がることはないでしょ?
リリックについてはVERSEはいつも曲のテーマを支えたり、
コーラスのアイディアになったり
その曲にしかない良いメロディを運んでくるべきと思ってるわ。
私は常に曲は私の人生に触れているものを書いているわ。
私が闘っているもの、私の情熱とかね。
もしシンガー自身が信じているものを歌わないなら、曲は本物にはなり得ないと思う。
全ての良い音楽は心の中の真実から来ているから私たちを動かすのよ。
・これまでのライブで覚えているエピソードはありますか?
Jenny : ショーはそれもユニークでそこにしかないものがあるよ。
完璧なライブをするような練習なら出来ると思うけど、
完璧にコントローラできない変数がそこにはあるでしょ?
観客、ステージ上の音、その場の雰囲気。
私はどのステージにも一つ一つ110%の力で臨んでいるの。
だって、私という一人の人間の力は
その場にいる彼らに与えることによって明らかになると信じているから。
時には800人の前で、時には5人の人の前で演奏する。
けれど、最も大事なことは目の前の人々と同じ空間で互いに何かを感じ合うことよ。
私の最も思い出深いギグは最近で、Rebellion Festival 2016のアコースティックステージよ。
ステージから見たオーディエンスは本当に素晴らしかった。
世界中から顔なじみの人たちが来ていたの。
ブラジル、日本、カナダ、アルゼンチン、インドネシア、アメリカ、フランス、イタリア、イスラエル・・・。
それは本当に夢のような国際的で友好的が人々が一つの場所に集まったようだったの。
私はそんな場所で伝説的なパンクバンドでと一緒にプレイできて誇りに思う。
・あなたの最新の情報を教えてください。
Jenny : もちろん。
私はニューアルバム「Proud of Every Scar」を
Randle Recordsからリリースしたの。
三年ぶりなんだけど、その間は私は多くの時間を作曲や制作に費やしたの。
私はこのアルバムが私の頭の中の考えと同じにしたいと思ったのよ。
その創作までのプロセスは自分へのプレッシャー、
自分の過去最高のものを作るために新しいことへ挑戦したり、
これまでとは違う方法を試したりものすごく難しかった。
私はこのアルバムがこれまでの中で最も良いものだと言える。
なぜなら私は私自身のアーティストとしての成長を認めることができたの。
出来上がりには満足でしているわ。
でも、もちろん今はもうすでに次のアルバム作りに向けて一生懸命よ。
このアルバムを越えるものを作りたいの。
それからもう一つ、私は新たに「Jenny Woo’s Holy Flame」ってバンドを始めて、
ヨーロッパでニューアルバムのツアーをしているの。
ぜひ新しいMV「Ignorance」をYoutubeでチェックしてみてね。
・日本のあなたの、そしてパンクロックのファンにメッセージをお願いします。
Jenny: 私はまだ日本に行ったことがないけど、
いつか日本でプレイするのが大きな夢よ。
私は日本のカルチャーに魅了されたし、
あなたたちの国を探検して周りたくて仕方ないわ。
私はCobraやBOOTed COCKSのようなバンドを聞いたことがあって、
もっと日本のスキンヘッドやOi!パンクシーンを知りたいの。
あなたのサポートに本当に感謝してるわ。
インタビューしてくれて本当にありがとう。
会える日がすぐにくるといいな。
Jenny Woo
インタビュー、訳:Tak
Jenny Wooというパンクロッカーは
自分の言葉や考えに対する理由を
しっかり伝えてくれる親切さと自信を持った人間だということが
このインタビューで一番感じたことでした。
普段何気なく無意識的に作曲をしていたりすると
あまりに自然すぎて意識していなかった部分を彼女は認知しており、
それらを言葉にして伝えてくれました。
それは決して難しいことだったり、
パンクスならでの考えということではなくて
彼女が言ったように「一人の人間として一人の人間と向き合う」
ということに尽きるのかも知れません。
それに当初バンドではなく、
一人でアコースティックセットで行っていたことに関しては
個人的なところでも共感してしまうし、
それによってプロジェクトを進めていくところなんかは
本当にDIYだな、と思います。
Jenny Wooという人物が改めて
僕にとってのパンクロックというものの原点を知らせてくれた、
そんなインタビューとなりました。
※インタビュー中の動画はJenny Wooのアルバムをリリースしたレーベル「Randle Records」の公式アカウントのものです。